鳥居と油揚げ

鳥居と油揚げ

 稲荷といえば、「朱の鳥居」と「赤い幟」を思い出す人も多いと思います。
お稲荷さんは狐であり、これは前述したように五行思想の中の土気です。

 火生土・・・火は、土を生ず
五行において、火の色を考えるとこれは赤色です。
つまり、稲荷神社の入口にお稲荷さんの狐の土徳を生み、生じさせ扶翼させる火の色である赤を用いて、鳥居を赤にしているのです。
また赤い幟も同じことが言えます。

 因みに、お供え物で小豆飯がありますがこれも赤飯です。
ここにも赤が用いられています。
 もう一つのお供えで「油揚げ」があります。
この色は黄色で、これは土気の色なので同じ色で扶翼しようとしている訳です。

「朱の鳥居」、「赤の幟」、「赤飯」、「油揚げ」は、マコトに五行思想にあったものなのです。


狐の色

黄狐
これは普通の狐で、土気の精としての狐です。

黒狐
黒・・・水気
狐・・・土気
土剋水で、水気の抑圧、祈晴の呪物です。

白狐
白…金
狐…土気
つまり、土生金で、金属・貨幣・富・財を生む呪物です。


七狐の居所

1.肝魂狐 腹にあり、胸を見ることを好む
2.逢難狐 左脇にいて、物を破壊することを好む
3.魂珀狐 股にあり、寝たがることを好む
4.砲身狐 右脇にいて、顔を破ることを好む
5.天狐  頭にいて、天を知ること
6.中狐  背にいて、虚言を言う
7.地狐  腰により下にいて、走りたがる

霊狐とは自分自身の中に存在するものと考えられ、所謂人に住む何かを、狐と称していることです。
諸々これらを抑えたり、または利用、活用して何かをしようとするのが趣旨のようです。


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